
PENT-JAPAN
AVを通して人間を描く男 長江隆美
今後AV業界を揺るがす人気監督の魅力に迫る!
―「ながえSTYLE」を立ち上げたキッカケを教えてください。
「2006年、3月にレーベルを立ち上げる以前は『FAプロ』(※注1)に11年ほどいました。
ここは、ヘンリー塚本監督(※注2)の意向もあって"知る人ぞ知る"コアなメーカーだったんです。
もちろん、『FAプロ』はそのポジションが合っているメーカーだとも思うんですけど、
僕個人としてはこれほどクオリティーの高い作品があるのに、
その存在をあまり知ってもらえないことが納得できなくて‥‥‥。
『面白いAVは他にもたくさんあるぞ!』ってことを世間に伝えたかったんですよ。
『ながえSTYLE』では、これまであまりAVを見なかったようなライトユーザーもどんどん巻き込んで、
AV業界全体を活性化していきたいですね!もっと僕を宣伝してください(笑)」
独自の演出マジックでユーザーに夢を与える!
―作品作りにおいて、こだわっている点は何ですか?
「『物語にリアリティーを持たせる』。これに尽きます。
リアリティーといっても僕の作品はドキュメンタリーじゃなくてドラマなんですけど、
演出のやり方ひとつで生々しい世界は描けます。また、それを実現するためのロケーション選びも重要ですね。
キレイなハウススタジオでのカラミなんて生活感がないでしょ?ボロアパートくらいがちょうどいいんですよ」
―実際に作品を拝見してみると、"愛情渦巻く人間模様"というか、
一筋縄ではいかない男女のドラマという印象を受けました。
「僕の作風は"明るくさわやか"とは対極にありますから(笑)。
やっぱり、人間の影の部分を描いていきたいんです。不倫ってドロドロしてるじゃないですか。
さわやかな不倫なんて少ないでしょ?そういうダークな部分を表現しつつ、その中に夢も描きたくて。
不倫というのは世間一般では許されない行為だけど、不倫をしている当事者たちには
『いつか一緒になりたい』といった夢がきっとあるはずなんです。
僕はいろんなタイプのドラマを手がけているから一概に『夢だけ追ってます』とはいえないけど、
極力、夢のあるモノを撮りたいですね」
―長江監督は犯罪モノやレイプモノも多く手がけていますよね。
撮影する際はどこに注意を払いますか?
「最近のAVは本当に軽々しくレイプを見せているように感じます。
あれは僕にいわせればリンチ以外の何物でもない。
ちょっと変に聞こえるかもしれないけど、犯罪はそれぞれのリスクを背負ってやってもらわないといけないし、
そこも描かなきゃいけない。"罪を犯した人間には必ず報いがある"というのが僕の持論です。
レイプモノの場合、レイプ魔が最後にどうなるかという結末までしっかり見せることを常に心がけていますね」
女性器に見立てた接吻が男の本能を呼び覚ます!?
―カラミについて聞かせてください。長江監督の作品に登場するキスは、
これまで見た事がない種類のディープキスだったのですが‥‥‥。
「分かりますか?ディープキスにはこだわっています。そもそも唇って、モザイクがかからない場所じゃないですか。
男の舌をペニスに、それを受け入れる女の唇を女性器に見立てれば、キスだけでいやらしく演出することが可能なんです。
これを"長江式接吻"と呼んでいて、女性の歯の裏側まで男が舌を滑り込ませて、歯茎まで舐めまわすテクニック(笑)。
えげつなかったでしょ?」
―はい。かなり衝撃的でした(笑)。
「さすがに歯茎まで舐められると普通は嫌がるんでしょうけど、その激しさに感じてしまう女性がいるのも事実。
その思わず感じてしまった表情に男は興奮を覚えるんです。
それから、男って、一連の愛撫なんてすっ飛ばして真っ先に挿れたいはず。
僕はそう思って、挿入からスタートするカラミを多くしていますね。
ただ、挿れたからといってすぐに発射するんじゃなくて、一旦抜いてから胸を揉むなり愛撫を楽しむんですよ。
男のためのAVだからこそ、作品の中で男の欲を満たせられるように努めています。
特に最近の作品って男優の影が薄いですよね。『ヤりてー!』って鼻息荒く女性ににじり寄るのが男本来の姿でしょう」
―確かに、パワフルな男優を起用しているように感じました。
「僕のお気に入り男優の花岡じった(※注3)なんてすごいですよ。野獣ですよ、野獣!
普通、女のコの反応が悪いとたいていの男優は萎えるんですけど、
花岡じったの場合は"いかにしてこの女をヒイヒイいわせるか"って逆に燃えちゃうんですよ。
そういう意味でも、彼じゃないとできない役は多いですね」
男の妄想を実現させるアイデアには自信あり!
―そもそも長江監督は何をヒントに物語を思いつくのでしょうか?
「自然に"降りてくる"ときもあれば、タイトル先行で考えたり。
あとは映画を見ていて、いいなと思った部分を膨らませたり。
誰でも一度くらいは映画を見ていて『この先がすごく見たいんだけど‥‥‥』という場面がありますよね?
AVの良さは、普通の映画では描けない先の部分まで描けるところ。
その願望を僕が叶えてあげたい、そんなキッカケで作品を撮ることもありますね」
―AV業界全体の流れについてどのように感じていますか?
「モザイクが薄くなったことで局部メインの作品が増えましたけど、それって単なるオナニーのための撮り方ですよね。
AVでヌクのはいいんですけど、オナニーだけで完結してほしくない。
AVユーザーには、セックスする機会が少ない人が多いと思うんだけど、
僕の作品を見た人には『女ってこんな風に感じるんだ。
女もセックスが気持ちいいんだ』って学習してほしいんです。
そして見終わったあとに、女とヤレるようにがんばろう!そんな風に感じてくれたら嬉しいです」
―最後に、一言お願いします。
「現在のAV業界は低迷期だと言われていますが、僕がガツンと新しいものを打ち出してみせます。
ペンスペ読者の皆さん、ご期待ください!」
※ 注1 FAプロ 昭和のエロス漂うノスタルジックな作品作りで中高年から絶大な支持を集めるレンタル系メーカー
※ 注2 ヘンリー塚本 FAプロの代表監督であり、中高年の心に残るAVを制作し続け、カリスマ的な人気を誇る
※ 注3 花岡じった ケモノのようなセックスと絶倫がウリのベテランAV男優。芸名は「鼻をかじった」をもじって命名